ライティング

伝わる文章は書く前に8割決まる|目的設計×構成設計でテクニックに依存しない文章術

提案書を出しても反応が薄くて、企画の意図が伝わっていない気がする……
ブログやSNSの文章作成を担当しているけれど、イマイチ反応がなくてモヤモヤ……

PREP法やテンプレは覚えた。
でも、実際の仕事では“伝わった”感触がない。

その原因、もしかすると
テクニックに頼りすぎて
“読者を動かす文章”の視点が
抜け落ちているせいかもしれません。

この記事では、
目的設計と構成設計の思考法を軸に、
読まれる → 伝わる → 動かす文章へ
進化させる方法
を解説します。

「伝わる文章の書き方がわからない……」
と悩む方こそ、“文章の土台”を
整えるところから見直してみませんか?

自己紹介

私は、取材記事をメインに活動しているライターです。

これまで、
「伝えたいことはあるのに、うまく伝わらない」
そんなもどかしさを何度も経験してきました。

だからこそ今は、伝わる文章の土台づくり、
目的設計や構成設計を何より大切にしています。

私自身、テンプレやテクニックに頼りすぎて
失敗した経験があるからこそ、
同じように悩んでいる方のヒントになれたら嬉しいです。

「伝える」だけでは足りない。行動を生む“目的設計”に変える

「伝わる=分かりやすい」ではありません
本当に伝わる文章とは、
読者の心に届き、行動につながる文章
です。
「わかりやすさ」はあくまで入口。
目的は、読者を動かすことにあります。

文章を書く前に、「文章の目的」を明確にします
まず以下の3つを書き出してみてください。

この文章を読むことで……

①読者に何を知ってほしいのか
(例:時短で資料作成するコツ)

②読者に何を感じてほしいのか
(例:「自分にもできそう!」と思ってもらう)

③読後にどう行動してほしいのか
(例:明日から構成を見直してみる)

例えば、メルマガやブログ記事、LPなど
セールスに関わる文章を作る際、
目的を考えることで
どのようなCTAにつなげるべきかが分かります。

※CTA:
Call To Actionの略。日本語では行動喚起。「無料サービスを試す」など、ユーザーへ次のステップを提示し、行動を促す役割を果たす。

CTAの役割例
・Webページへ誘導する
・読者を見込み客へ変化させる
・商品、サービスページに誘導する
・SNSで拡散してもらう
・フォーム送信へ誘導する

このように、文章を書くときは、まず
目的設計をすることからはじめましょう。

文章の8割は書く前に決まる。“構成設計”から逆算する

「書いているうちに、内容がブレてくる」
という悩みはありませんか?
これは、書く前の準備不足が影響しています。

目的設計ができたら、次は構成設計をしましょう。
目的地が決まったら、そこまでの経路を作るのです。

構成設計をする時は次の順で考えてみてください。

3ステップ構成法

① 読者設定
まず、「誰に向けて書くのか」を明確にします。
→これを決めておくと、言葉のトーンや使う例、説明の深さがブレません。

② 伝えたい目的の明確化
次に「この記事で何を伝え、どういう行動を促したいか」をはっきりさせます。
→ゴールが見えていると、余計な情報を書かなくて済みます。

③ 順序設計(構成づくり)
最後に、読者がスムーズに理解&納得できる順番で内容を並べます。
→PREP法などの型を使う前に、「文章全体の地図」をつくるイメージです。

例えば、目的別でこのようなテンプレートがあります。

構成テンプレート例
記事構成:​導入→問題提起→解決策→まとめ
→ブログやWebメディアに最適

セールス文:​問題提起→共感→解決策→行動喚起
→LPやメルマガで活用

自己紹介:​背景→経験→現在の活動→読者へのメッセージ​
→資料中のプロフィールや登壇資料で活躍

「削る」ことで伝わる。読者に届く“引き算の文章術”

目的と構成が設計できたら、
次は実際に文章を書いていくフェーズです。

ここで気をつけたいのは
情報を盛り込みすぎない
ということ。

目的に合わせて、読者が必要とする情報を
適切な量、適切な順序で伝えることが重要です。

……と、言葉にするとカンタンですが、
実践するのは難しいんですよね。

情報過多で伝わらない文章になるのを防ぐため、
注意点を整理します。

書きすぎ防止の注意ポイント

①1トピック=1メッセージ
各段落やセクションで伝えるメッセージを1つに絞ることで、文章の明確さと理解度がUPします。

②同義反復を避ける
例:​
「新しい技術革新」→「技術革新」
削れる表現がないかチェックしましょう。

③ダラダラ例え話を整理
例:
×「社内のコミュニケーションは、バケツリレーのようなもので、ひとつでも手が止まるとうまく水が流れていかなくなり、全体に影響が出ます」
○「社内の情報共有は1人の遅れが全体に影響するため、常にスムーズな連携が重要です」
冗長な表現を避け、簡潔な文章を心がけましょう。

文章が長くなったら、
「これ、本当に読者に必要な情報?」
と一度自問自答してください。

自分が伝えたい情報を書いてしまいがちですが、
文章に盛り込むのは「読者が知りたい」ことのみ
不要なことは書かない勇気を持ちましょう。

感情に働きかける、欲求をかき立てる言葉の選び方

「情報はまとめられても、いまいち心が動く文章にならない」
といった悩みもあると思います。

そんな時に取り入れたいのがGDTの法則です。

GDTの法則
人間の深層心理に基づいて、欲求を
Goal:目標、Desire:欲望、Teaser:本性
の3つのレベルに分けたもの。

目標:人は誰でも、お金や時間をかけず、ラクして何かを達成したいと考える
欲望:富や名誉、愛、悩みや苦痛の無い快適さを求める
本性:希少性の高いもの、好奇心をくすぐられるもの、反社会的な言動が気になる

GDTの法則には、以下のような強さの順番がある。
Goal:目標<Desire:欲望<Teaser:本性

セールスコピーやSNSのキャッチ、メルマガの見出しなど、
短い言葉で感情に刺す必要がある場面で効果的です。

GDTの法則を使った例文

・Goal:目標
月額500円で始める資産運用
1時間でマスター!速読術
無理なく続けられる!ずぼら節約術

・Desire:欲望
この知識があれば、トップ5%の仲間入り
誰もが振り返る!魅力的な容姿を手に入れる秘密
病気になっても、この保険があれば安心

・Teaser:本性
これが購入できるチャンスはあと3日
90%の人が知らない、この裏ワザ
未公開:業界の裏話、トップが明かす秘密

この法則を活用すれば、読者の感情を動かし、
行動へと導く文章が書けます。

「伝わる文章」に共通する“習慣”と“仕組み”を持とう

文章を書き終えた後は、
意識すると良い「習慣」と「仕組み」があります。

読者目線を持つための習慣

文章を読み直し、以下を自問自答してみましょう。

「この文章は読者にとって分かりやすいか?」
「読者が求めている情報が含まれているか?」
「読者の疑問に答えられているか?」​
「次のアクションが明確か?」

AI添削を活用する

文章を生成AIにチェックしてもらうと、
効率よく添削が進みます。
ポイントは、
「どこを見て欲しいか」「どう仕上げたいか」
を具体的に伝えることです。

生成AIへの指示文例

①基本・冗長表現のチェック
「誤字脱字、文法ミス、表記ゆれがないかチェックして、必要に応じて修正してください」
「漢字とひらがなの使い分け、助詞のミス、冗長な表現など、基本的な書き方ルールに沿って添削してください」

②全体を見て欲しいとき
「プロ目線で、伝わりやすくなるように添削してください。」
「読みやすさ・わかりやすさを重視して、改善点を教えてください。」

③自然な言い回しにしたいとき
「言いたいことは変えずに、より自然な日本語表現に直してください」
「口調が堅いので、やさしく親しみやすい文体に直してください」

④SEO・Webライティング向け
「SEOを意識して、自然なキーワードの入れ方や見出し構成を提案してください」
「初心者が理解しやすいように、見出し単位で構成を整理・添削してください」

⑤特定部分だけ見て欲しいとき
「タイトルとリード文だけ、惹きつけるように添削してください」
「締めの一言だけ、読者の背中を押す言葉に変えてください」

「誰向けの文章か(読者像)」
「文章の目的(説得?共感?情報提供?)」
この2つを添えると、より的確なフィードバックがもらえます

設計から仕上げまで、“伝わる文章”は
段階ごとの工夫で完成します。
最後まで丁寧に磨き上げましょう。

読者の行動を後押しできる、「伝わる」以上の文章へ

ここまででご紹介した方法を使って、
「伝える」だけで終わらせない、
「読者の行動を後押しする」文章を目指しませんか?

PREP法などの文章の書き方テクニックは、
目的・構成の正しい設計が固まってこそ生きてきます
今日から、“書き方”より“設計”に目を向けてみましょう。

まずは今日、10分。
「誰に、何を、どう伝えるか」を
書き出してみてください。
小さな準備が、伝わる文章の最初の1歩です。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
またお会いできるのを楽しみにしています🍀